2013年3月31日日曜日

洗心

池之端教室の引っ越しをした。
午前中には終わらせたかったので
前日にエツロー君が某メーカーから大型のワゴン車を借りて来てくれた。
そして我家で前祝い!

池之端教室での最後のお稽古、許状式そしてその後の食事会の席でみんなからのプレゼント

ガラス職人が創ったうすはりのグラス、秋田杉の升と器。
それに純米大吟醸「洗心」

うすはりのグラスで飲む酒は格別、秋田杉の升はよい香りがする。
心が洗われる憶いだ。
初心に戻り、純粋な心で花を活けよう。

こんなに素敵なプレゼントをみんなありがとう。
友と二人、おいしく頂きました。
涙がこぼれる憶いです。



明くる日は横浜から高速で上野に向かう。途中ドライブスルーで朝マック。
エツロー君の活躍のおかげで引っ越しは滞りなく終了。
花器が段ボールに10個ほど、その他の道具が段ボール3個。それにチェスト。
このチェストのおかげで我家は思いがけぬほどの花を活ける好環境となった。

しばらくはここで自由に花を活けようと思う。


2013年3月17日日曜日

特別な一日


いつもよりほんの少し早起きをして世田谷の花き市場へ向った

砧公園にて
前方の梅林を抜けると市場だ
僕はいつも公園の遊歩道を通らず、真っ直ぐ市場へと歩く

世田谷花き 仲卸

千島瞳円さんと市場にて待ち合わせる。
この市場へは6年程通ったのだろうか、まずはもう訪れる事はないと思うと懐かしい憶いが心を過る。

とりあえず貯まったポイント、3000ポイントを使った。
以前にも使ったので、なんだかんだで6000ポイント、60万円もこの市場で
お花を買った事になる。もちろん、その殆どは一門で活けた。

そう考えると、これはこれですごい事だと思った。
お花を60万円買う人はあまりいない。花屋さんは別ですが、としみじみ思った。




今日は許状の授与をする。
心地好い緊張感がある。ほんの少し早起きをしたのはこのためなのだろう。


新田瞳佑は中伝の教程を終了し皆伝の教程となる。
細部にまで気を配りバランスも良く凛とした花を活けるようになった。
根元の締まり方が完成されている。これは大切な事だ。命の力強さの表現でもある。 




杉原瞳和を号し初伝を授与する。
自由で大胆な発想の花を活ける。お稽古ではいつも大きく花を活ける。
この半年あまりの上達ぶりは目を見張るものがあった。バランス感覚が良くなった。
ゆっくりコツコツと前へと進んできた。




熊田瞳麻を号し初伝を授与する。
実に素直な花を活ける。いけ花はその人の人柄が見事に反映される。
花に限らず習う者に大切な心得は「素直」だ。
自由花ではいつも可愛い花を活け、とてもアイデアが豊かだ。瞳麻は可愛い号だ。




森谷瞳令を号し初伝を授与する。
仕事の都合で出席出来ず、許状は次回研究会の時に授与する。
枝の長さ高さ角度、花の高さ向き等に優れた感覚を持っている。
センスがそもそもとても良く、繊細に花を活ける。




千島瞳円は3年のお休みの後、今年初めに復帰した二番弟子だ。
3回もお稽古をすれば以前の感覚を取り戻す。常に新しい活け方にチャレンジする姿勢がある。
今日は娘の莉乃ちゃんと一緒だ。莉乃ちゃんには教室に来たご褒美に莉乃と云う雅号を授与した。みなに受ける!


許状を授与し雅号を得る事は絆を結ぶと云う事だ。
この世には種々の人間関係が存在するが師弟関係と云うものは生涯の関係でもある。



お稽古、許状式の後、桜の咲き始めた上野公園内にある韻松亭へ

天神様の桜は満開、韻松亭は創業明治8年


とても楽しいひと時、ほんの少し特別な一日でした。
みなさんありがとう
これからも楽しくお花を愛でましょう

瞳生




2013年3月2日土曜日

池之端教室閉鎖と瞳生会設立にあたり







4年程お稽古をした上野池之端の教室が閉鎖する。
その前に2年、根津の路地裏の、近所からは三味線のお稽古の音色が聞こえ
夕暮れには豆腐屋のラッパの音が響く、東京の下町の長屋でお稽古をしていた。
当時私は松本で暮らし自分のいけ花の在り方を模索していた。

今では観光地化したこの地域には楽しい想い出が沢山詰まっている。

楽しい想い出ばかりが人生ではないが、出来る事なら楽しい憶いだけを心に秘めて、
人は生きるのが肝要だ。
 
 色は匂へど散りぬるを
  我が世誰ぞ常ならむ
 
 色鮮やかに咲く花も いつかは散りゆく定めだ
  私にしろ誰にしろ この世に永遠と呼べるものなどは無いのだから

花からは諸行無常を習う事が出来る。それは同時に変化し常に進化すると云う事が

生きる証である事を教えてくれている。

瞳生会は研究会だ。今までのお稽古花とは違い、皆それぞれのイメージを拡散する場だ。

まさにワンランクアップした、次のステップのお稽古と呼べるだろう。
全員が初伝を享受し、中伝の教程にはふさわしいお稽古の方法だ。

皆にはそれだけの技量があるから、後は日々出逢う些細いな事にでさえ、本質を見つめ

自分の心に響く美しい事を見いだす感性を、いつも大切にしなくてはいけない。

例えば、川を流れる丸太が堰の岩にかかり(上記写真)、絶妙なバランスでこの瞬間を

保っている。この丸太に意志はないが、この丸太に命を吹き込むことが出来る。
それは誰も気付かぬ些細な事の中にも美しいさを見いだし、そこに自らの意思を反映させ、
自分の自然観を構築する。その瞬間にこの丸太はひとつの作品となり一期一会の憶いを
語りかけてくれる。これが花を活ける者には欠かせない大切な感性であり、
また花から学び、自然と身に付くありがたい感性でもあるのです。

花を活けるとは新たな命を吹き込むと云う事なのです。

日々出逢うすべての事の中に学びがあります。
それを見つけると云う事なのです。花に習うとはそう云う事なのです。
                           
                      瞳生 拝



本年度 瞳生会行事予定
第1回 研究会 花器を創る
第2回 研究会 自作花器に活ける 花材/ヒマワリ
    夏頃の予定となるのでヒマワリを活けてみましょうか。如何ですか。
第3回、第4回は他流派花展見学勉強会
第5回 親睦会/納会
       以上 詳しい日程などは後日連絡致します。